デンマーク
コペンハーゲン
港で泳ぐ北欧の首都
運河クルーズとライ麦パンのランチ
夏の日にアイランズ・ブリュッゲ(Islands Brygge)の港のプールへ行くと、街の真ん中で人々が海へ飛び込む姿に出会います。コペンハーゲンの港は船の行き交う水路であり、地元の人たちのプールでもあるのです。通勤時間には橋の上を自転車の列が流れ、市民の半数近くが毎日自転車で職場や学校へ通います。王が天文学者のために建てた塔では今もスロープを歩いて上る人がいて、1843年開園の庭園では1914年生まれの木製ジェットコースターがいまだ走り続けています。
ニューハウンと港
ニューハウン(Nyhavn)は、色とりどりに塗られた17世紀の家々が運河沿いに並ぶ古い港です。かつては世界中から来た船乗りたちが酒場に通うにぎやかな港で、アンデルセンもこの通りの3軒(20・67・18番地)に暮らし、『火打箱』や『えんどう豆の上に寝たお姫さま』をここで書きました。 運河クルーズの船もニューハウンの岸壁から出ます。南のスルーセホルメン(Sluseholmen)から北のレフスハレウーエン(Refshaleøen)まで港を縦断するハーバーバスは、普通のバスと同じ運賃です。 夏になると港のプールがにぎわいます。港の水は泳げるほどきれいで、アイランズ・ブリュッゲでは街のど真ん中で屋外水泳ができます。
王の道 ── ローゼンボー城からアマリエンボー宮殿へ
ローゼンボー城(Rosenborg Slot)は、クリスチャン4世が王の庭園(Kongens Have)のそばに建てて愛した小さな城です。完成は1624年。地下の宝物館では、デンマークの王冠と王室の宝飾品を見られます。 近くの円塔(Rundetaarn)は、同じ王がコペンハーゲン大学の天文学者のために建て、1642年からこの場所に立っています。頂上へ続く道は、塔の空洞の芯を7周半めぐるらせん状のスロープです。 正午はアマリエンボー宮殿(Amalienborg)へ。衛兵交代は毎日行われ、12時少し前に隊列が広場へ入ってきます。国王の滞在中は、11時27分にゴーテルスゲーゼ(Gothersgade)の近衛兵舎を出た隊列が、円塔とコンゲンス・ニュートー(Kongens Nytorv)を通って行進してきます。アマリエンボー宮殿は、最初のクリスチャンスボー城が焼失したあと王室が移り住み、今もコペンハーゲン滞在時の住まいとなっている宮殿です。
チボリ、1843年の庭園
チボリ公園(Tivoli)の開園は1843年8月15日。1914年に開業したジェットコースター(Rutschebanen)は、今も現役の木製コースターとしては世界最古級。列車ごとにブレーキ係が乗り込み、こうしたコースターは世界に7つしかありません。1874年築の中国風パントマイム劇場は園内に残る最古の建物で、チボリが開園当初から続けてきたコメディア・デッラルテの伝統を汲むパントマイムの舞台です。 もともと夏だけ開いていたチボリは、1994年にクリスマスシーズンを始め、1997年からは園全体をクリスマスの装いにしています。
クリスチャンハウンと救世主教会
港の向こうのクリスチャンハウン(Christianshavn)では、一本のらせん状の尖塔が何度も目に入ります。救世主教会(Vor Frelsers Kirke)の塔です。ラウリッツ・デ・トゥーラ(Lauritz de Thurah)が設計した塔は、教会より56年遅れて1752年に完成し、頂上には銅製の大きな救世主像が立っています。 最後の150段は尖塔の外側を巻く階段で、全部で約400段を上ると、高さ86mから街が見下ろせます。塔は入場人数が限られているためオンライン予約がすすめられ、混雑時はオンライン予約がないと入れないこともあります。1月中は閉鎖、雨・雪・強風のときも一時閉鎖されることがあります。大人の入場料は70クローネです。 教会の近くには、1971年から住民が自分たちで運営してきた共同体クリスチャニア(Christiania)があります。
ライ麦パンのランチ
デンマークらしい食事を味わうなら、昼がいちばんです。スモーブロー(smørrebrød)は必ずライ麦パンを土台にしたオープンサンドで、ニシンから生の牛肉、魚介、卵まで、のせる具はほぼ限りがありません。1877年から続くシェネマン(Schønnemann)では、スモーブローやニシンに冷えたシュナップスを添えて出します。 ノアポート(Nørreport)駅のすぐ隣にある屋内市場トーヴェハーレン(Torvehallerne)では、小さな店がオープンサンドや牡蠣、ポリッジ、魚介、チーズを売り、朝7時からコーヒーとパンを出す店もあります。 夜はハーバーバスでレフスハレウーエンへ。古い作業場と倉庫に囲まれた港の空き地にできたレフェン(Reffen)には、屋台約35軒とバー10軒、醸造所が集まっています。営業は3月中旬〜11月初旬で、日が短くなる11〜2月は休業します。
海岸線の列車で一日 ── ルイジアナとクロンボー城
もう一日あるなら、中央駅からエーレスンド(Øresund)の海岸沿いを北へ走る列車へ。約40分でフムレベック(Humlebæk)駅に着き、10〜15分歩くとルイジアナ近代美術館(Louisiana Museum of Modern Art)です。カフェからは、デンマークとスウェーデンを隔てる細い海峡エーレスンドが見渡せます。月曜は休館です。 さらに北へ進むと、ヘルシンオア(Helsingør)のクロンボー城(Kronborg Slot)。『ハムレット』の舞台「エルシノア」として知られる城ですが、シェイクスピア本人はおそらくここを訪れていません。ユネスコ世界遺産で、暗い地下砲台では伝説の英雄ホルガー・ダンスケ(Holger Danske)に会えます。
4日間のおすすめプラン
Day 1 — 空港からメトロで市内へ → ニューハウン散策と運河クルーズ → 夜はチボリ(営業シーズン中) Day 2 — ローゼンボー城 → 円塔 → 正午、アマリエンボー宮殿の衛兵交代 → トーヴェハーレン → 港で水泳(夏) Day 3 — クリスチャンハウンと救世主教会の尖塔 → クリスチャニア → ハーバーバスでレフェンへ、夕食(3月中旬〜11月初旬) Day 4 — 海岸線の列車でルイジアナ近代美術館(月曜休館)→ ヘルシンオアのクロンボー城 → コペンハーゲンへ戻る
- おすすめの季節
- 5〜9月(屋外散策・運河クルーズ)、11月中旬〜12月(チボリのクリスマス)
- おすすめの日数
- 3〜4日
食べたいもの
- スモーブロー(ライ麦パンのオープンサンド)
- ニシンの酢漬け(冷えたシュナップスとともに)
- カネルスネイル(デンマーク風シナモンロール)
- レフェンの屋台料理(レフスハレウーエン・3月中旬〜11月初旬)
実用的なヒント
- 空港から市内へはメトロか列車で約15分、片道30クローネ。切符は駅の券売機(硬貨とカードのみ)かRejsebilletアプリで買えます。コペンハーゲンカードで空港移動が含まれるのはDISCOVERだけで、HOPは対象外です。
- 瓶や缶の飲み物にはデポジット(パント)が含まれています。1リットル未満のガラス瓶・缶は1クローネ、1リットル未満のペットボトルは1.5クローネ、1リットル以上は3クローネ。空き瓶や空き缶をスーパーの回収機に入れると返金されます。
- チボリは季節営業です。1月3日にクリスマスシーズンが終わると、3月中旬のイースターシーズンまで休園します(2026〜27年の日程)。救世主教会の塔も1月中は閉鎖です。
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